利用者ブログ - 令和のいろはカルタ



◆読み札:めぐまれているぞとおもえばふまんなし


「自分ほど不幸な人間はいない」。一度は皆そう考えるものですが、現実世界では年齢を重ねるという厳しさの前ではだんだん通用しなくなるもの。そこで逆説的に自らが「実は幸福なんだ!」ということを自らに言い聞かせればこういう厄介な考えからは解放されるのですね。
「幸福の青い鳥は自分の家で飼われていた」。幸福とは誰しもが目指すことですが、最後は結果なのだということなのです。目的としてそれを追い求めれば、砂漠の蜃気楼のように見えてはいても近付いても決して手に入れることはできないということも認識しましょう。

「そういうもんなんだよなぁ…」。こういう考え方ができれば不満は無くなっていくのです。灯台下暗し。身近で気づきにくいことを自覚する勇気を持ちたいものです。思い通りに行かなくて当たり前。覚悟は人間を大きくするのですから。

◆伝統的ないろはカルタ:めのうえのたんこぶ

煩わしい事柄は人の世では常に付きまわるもの。なんでもかんでも他者のせいにしてしまうのはカンタンなことです。しかし、実はその相手が同じように考えるのはむしろ当然だということも。そうです。「それはこっちのセリフだよ」との。
第三者の視点から、自分の行いを顧みることができたなら冷汗が出ることでしょうね。

「目の上のたんこぶ」は考えてみれば、鏡などを使わないと自分の眼では目にすることができない。これも先程述べたことに重なりますよね。
腫れ物が視野を狭めるのは無理からぬことですけれど、それであっても不快なこぶでさえ美点を見つけられたら、あなたは人生の達人になれるかもしれません…できないことをやろうとするのが人生の目的でもあるので、急には無理であっても心がけたいものです。


◆通話表:明治の「め」(めいじの、め)


それまでの日本と、ここから大きく異なる最大の分岐点。それは「明治」でした。これは敗戦に因る一連の社会の変化よりも大きいことでしたので。「和魂洋才」という熟語は西洋の文明を積極的に取り入れながらも日本人の精神は忘れないということです。伝統的に日本は中国からの影響が大きかったので、四字熟語の一つを入れ替えるだけだったのかもしれません。こういう言葉は、まあ顧みられなくなりましたが、隙を見せられなかった時代を生き抜いた明治の先人たちが道筋を作ってくれた功績を忘れてはいけません(罪過ももちろんありますがね)。
良いことも悪いことも含めて、明治の世を真剣に考えてみると新たなヒントが生まれることも。まさしく「温故知新」ということです。



残念なことに長い歴史を持つ公共放送の人気ドラマシリーズでも幕末から近現代を扱った作品は人気が芳しくありませんでした。歴史に興味を持たない人が増えているのも教育の方針から、「明治維新」以降は積極的に扱わないということも影響しているようですね。しかしそれから一世紀半が過ぎ、今年は文明開化の象徴であった「鉄道開業」からちょうど150年になるのです。
興味はあるけど、積極的に語られないからこそ知る努力を始めませんか?。他人様よりも一つでも多く語れることはそれだけでも優位となりうるのですからね。文化のリフォームを新しい流れとしましょうよ。

 「令和の今 活かせる知恵は 明治から」


◆「ん」尽くし:綿金襴(めんきんらん)

こういう言葉があるのです。金襴は「緞子」(どんす)とのセットでお馴染みの言葉で、両方とも高価な布地を意味します。「めん」から始まる言葉は「綿」と「面」「免」などで構成されることが多いので、「綿綿」という語が真っ先に思い浮かびました。ただし、これだけでは面白くありませんよね。他にも探してみると…。ありましたよ。「瞑眩」(めんけん)。「目がくらむ」という意味です。これを上手に使わない手はないのです。
「綿縮緬」はまあ、似たような感じですね。四字熟語では「面従後言」。「三者面談」。「免税品店」。これらはどうも…。さらにさらに。「メンタンピン!」…おっと、これは麻雀の役でしたね。失礼しました。

 「きんきらきん 綿金襴が 瞑眩し」

◆今日のひとこと:


「気付かない それも恵みの 温かさ」


朝がくる。昼になる。そして夕方に。夜になって一日が終わる。私たちの生活はこのように続いていますね。説明は不要ですが…。
寝床から出る時に家の外が明るくなっていることに考える人は、まあ居ないでしょう。そうです、当たり前ですから。
しかし、敢えてその当然が消えて無くなってしまったとしたらどうしたら良いのか?。こういう点も踏まえて『聖典』にも光に関する金言が多く記されているのだと思います。
気付かない、多くの「生かされている」という恵み。それを実感できた時の一条の光の温かさも。
全てはこの「恵まれているぞと思えば不満なし」という言葉が表してくれるのです。