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2月の行事はまずは節分があり、翌日は「春の訪れ」となる立春となります。暦の上ではもう春ですね。けれども心待ちにしている桜の満開までは2か月ほど、それよりも早くつぼみが緩む梅もまだちらほら咲いている程度ですよね。その梅も各地に名所があり、私達「イメージリンク」(IML)が所在する兵庫県の西部には「綾部山(あやべやま)梅林」(たつの市御津町)が知られています。今回はこの綾部山の梅林、そして近隣の西播磨の海岸線の観光名所を紹介させていただきます。

≪海と山の絶景 綾部山≫

綾部山は高い山ではなく、風光明媚な瀬戸内海の播磨灘を臨む小ぢんまりとした山域です。そこの斜面には各種の梅が植えられ、2月中旬からの1か月ほどのシーズンには8000本もの梅の木が順番に花開き、最盛期には白梅を中心にして文字通りの梅の山と化すのです。地元の人たちは誇りを込めて「一目二万本」と呼んでいますね。その馥郁とした春の香りは風に乗って周囲に広がり、肌寒さがまだ残る中で本格的な春の到来を毎年告げてくれるのですよ。
すぐ近くには新舞子海岸があり、春の潮干狩り、夏には海水浴客が訪れる憩いの場となっています。兵庫県南部の海岸線は東隣の姫路市や網干市は開発が進んでいますが、この周囲一帯は国道250号線を挟んで変化に富んだ美しい海岸線で知られています。

≪世界の梅公園はワールド規模の梅の名所≫

梅林から少し西へ足を運ぶと「世界の梅公園」が所在し、綾部山と並ぶ梅の名所となっています。園内には中国式の建物も存在していて、その名前のように世界各地から集められた梅の数々がその艶やかな姿を競い、エキゾチックな雰囲気を醸し出しています。

≪国道250号線の西はカキの街道≫

梅の見頃はまた海のカキが美味しいシーズンですね。綾部山から国道250号線をさらに西へ向かえば、隣は室津の港です。江戸時代にはとても栄えた泊りの港で、現在でも往時を偲ばせる風情のある場所です。そしてまず相生市。造船産業が活況を呈した頃は日本の造船業を代表する都市でした。現在でも大規模な設備が稼働していて、馬蹄形の湾の姿に溶け込んだ風景となっています。
この辺りから隣県の岡山の日生(ひなせ)港までは現在でもカキの養殖が盛んであり、「カキオコ」(カキのお好み焼き・登録商標)が新たな名物として全国的に知られるようになりました。直売も行われており、新鮮なカキをはじめとした海の幸が手頃な値段で売られています。場所によってはいろんなカキなどの料理が提供されていて、シーズンの盛りには遠くからの来訪者たちが列を成すほどの賑わいに。高低差が大きくて曲がりくねった一本道なのが残念ですけど、海の景色も山の景色も変化に富んだ、楽しい道程を味わえるのです。


≪歴史と観光の街・赤穂≫


それからさらに西へ向かうと「義士」で名高い赤穂市へとつながります。造船所の裏側の道はとても風景が素晴らしいのですが、トンネルがあり、さらにそこは一本道の退避所で対向車をやり過ごす形となっていますので、どうしても行きたい、という方以外にはお勧めできません。道幅がとても狭くて見通しが本当に悪いので、行かれるのなら十分安全に注意してください。ですので250号線の本道を通って峠越えをしましょう。ここも急峻な道として知られていますが、江戸時代には海路の他に名産として知られていた赤穂塩を人夫たちが汗を流しながら西へ東へと運び出し、荷からこぼれ落ちた塩の色から「白い峠」とも呼ばれていました。



そこを越えると赤穂の市街に入ります。街のあちこちのは義士に因んだ名所が散在し、無血開城の舞台となった赤穂城内には義挙に参加した大石良雄(内蔵助)以下の義士を讃える大石神社が建ち、三百年を経た今日でも彼らを賞賛する声は後を断ちません。市内にある花岳寺には義士の墓が立ち並び、彼らの御霊を慰めています。
さらに浜の方へ進めば、海浜公園や赤穂岬があります。特に赤穂岬は桜の名所であり、開花の時期には桜のトンネルとなって人々を迎えてくれます。周辺には老舗の旅館も立ち並び、四季折々の瀬戸内の海の幸を観光客に振舞ってくれるのです。訪れる価値は大いにありですね。さらには大石にゆかりの場所もたくさんあって、ルートの選択に迷うほどです。「義士祭」以外の季節も楽しい西播の豊かな街なのです。


≪まとめに≫


いかがですか。綾部山から足を伸ばせば、このように魅力のある土地が待ってくれているのですね。残念なことに路線バスで繋がるルートはありませんので、折を見てドライブで楽しんでください。鉄道の駅からも遠い所がほとんなので、気軽にハイキングで訪れるのはおすすめできません。距離的には相当長くなり、海岸線も高低差がかなりあるので初心者の方にはきついでしょうから。
綾部山には設備の整った国民宿舎やホテルもあり、泊りがけで出かけるには適した場所です。バスの便は観光シーズン以外は本数も少ないので、車での来訪を前提として書かせていただきました。この点はご了承ください。


これからは花の季節となり、外出には適した時候となります。同じ県内の素敵な観光名所を簡単に紹介させていただきました。これからも同様の紹介をさせていただく予定ですので、楽しみのしてくださいね。では、一旦失礼します。