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私たちイメージリンク(IML)が所在するのは神戸市の東端である東灘区の海上都市である六甲アイランドです。今回はその東灘区の西側に位置するお隣の灘区の紹介記事です。

≪灘区について≫

灘区は1931年に誕生しました。神戸市が市制によって誕生したのが1889年(明治二二)ですが、後述するように「灘区」が制定される2年前の29年(四)には「西郷町」「西灘村」「六甲村」が神戸市に編入されていて、これが現在の同区の基本となっています。区制が始められた同じ日はに同様に「葺合区」「神戸区」「湊東区」「湊西区」「湊区」「林田区」「須磨区」が誕生していますが、これらの名称の多くは後に変更され、現在とはかなり異なった構成でした。

東灘区が戦後に神戸市に編入されて誕生したのに対して、灘区は昭和の初期には既に神戸の一部になっていました。灘区にも「灘五郷」の一つである「西郷」が所在していて、大震災の影響等もあって規模は往時よりは縮小しているものの現在でも酒造りが盛んです。ちなみに灘区が「灘」と命名されたのも当時の神戸市では灘五郷の西端である西郷がそこに含まれていたのに因んだそうです。隣の東灘には「御影郷」と「魚崎郷」があり、位置的にも五郷の真ん中であるのに「東の灘」となっているのも既に「灘区」が存在していたことに由来しているのです。地名にもこういった複雑な要素が絡んでいて、なかなかに興味深いですよね。

灘区にも「都賀川」「石屋川」が流れていて、特に都賀川は東灘の「住吉川」と同じく大都市では珍しい清流として知られています。歴史的経緯も含めて灘区と東灘区は多くの点で似ていて、こちらも居住には良好な場所となっています。


≪マリーゴールドはメキシコ生まれ≫


品種改良が進んだ今日では以前ほどではないでしょうけれど、マリーゴールドは独特の匂いを持つことでも知られています。そのために毒草と考えらえたこともあったようです。一定の害虫を忌避させる効果があることでも知られていて、トマトやジャガイモと共に植えられることもあるそうです(共栄作物)。
黄色とオレンジの美しいこのマリーゴールドが灘区の花に選出されたのは1986年(昭和六一)に「花のまち神戸」運動の一環として、灘区民市政懇談会によって制定されました。灘区との特別の関連は無いようですが、公園や庭先で固まって咲くその姿が好ましく思われて選ばれたように思われます。



原産地であるメキシコには毎年11月の初めに「死者の日」という故人を追悼するための祝日が設けられていて、このマリーゴールドが大量に捧げられるそうです。死者という言葉の響きは不気味に思えますが、現地では明るく楽しく故人と一緒に過ごすお祭りとされているのがいかにもメキシコらしいですよね。お墓に供えられると確かにとても明るく見えるので、生死に独特の文化を持つメキシコ人には相応しい花なのかもしれません。


灘区にはこのマリーゴールドの他にも「区の木」として「桜」、「区の歴史の花」として「菜の花」も制定されています。どちらも良く知られている春を代表する花ですよね。区内にある「王子動物園」は神戸市内でも屈指の桜の名所であり、満開の頃には夜間の無料開放も行われていて市民に親しまれています。今年の開催については未定のようですけれど、例年どおりに行われて欲しいものです。



この他にも多くの文化施設と学校があり、灘区も東灘区と同様に花の溢れる文教地区となっているのです。