利用者ブログ


前回の梅干に続いて、梅の魅力を愉しめる食材作りです。今回は梅シロップ。梅の利用価値としては梅酒は誰しもが思いうかべるものですが、梅酒を嗜んだ後の梅の実は意外と処理に手間取りがちに。そこで、梅の実を思いっ切り利用できる手作りの梅シロップの紹介です!

≪利用度最高の梅シロップを作るには≫

梅にはたくさんの栄養成分が含まれてます。そこで梅酒に偏りがちなラインナップに新たな逸品を加えたくなり、筆をとらせていただきました。手間はかかりますが、透明でありながら滋味豊かな液体の宝石を作るためのきっかけにしていただきたいのです。

〔用意するもの〕


●青梅1kg/●氷砂糖:1kg/●ホワイトリカー(できるだけ高濃度のものを):100cc/●瓶:(分量全てを入れれる蓋つきのを)/●タオル:(きれいな物を)/●千枚通し:(他でも代用可)/●ザル:(水切り用)


  1. 青梅を傷がつかないようにていねいに洗い、桶にゆっくりと移す。
  2. 青梅全てが漬かるだけ桶に水を注ぎ、しばらく置いておく。
  3. 青梅の実がこぼれ落ちないように水を捨て、ザルに移し替えて水気を切っておく。
  4. 千枚通しで青梅のヘタを取り除き、先ほどの桶へ一粒ずつていねいに入れる。ケガに注意すること。
  5. 瓶を用意し、きれいなタオルで一粒ずつていねいに実を拭き取ってゆっくり瓶の中へ入れる。
  6. 氷砂糖を用意し、三等分くらいに分けて青梅との層を瓶の中に作る。
  7. 全てを入れ終えたら分量のホワイトリカーを降り注ぐ。
  8. シロップとなる水分が上がって来るので、しばらくはていねいに瓶を振り砂糖分を溶かすように注意する。
  9. 瓶を満たすだけシロップが出て来れば冷暗所で保存する。
  10. 梅の実が皮と種だけになれば全て取り除き、シロップはざるで漉して、できあがり。


〔ポイント〕


◆梅の下処理については梅干と同様に。
◆瓶はきれいに洗っておく。熱湯をかけて消毒するのは温度差で瓶が割れる原因になることがあるのでお勧めできない。
◆千枚通しでなくても、竹串や爪楊枝でもヘタ取りはできる。いずれにせよケガには要注意。
◆ヘタを取り除きながら実を拭きとると時間短縮になるが、やりづらい。
◆ヘタは必ずしも取り除かなくてもよいが、風味が落ちる原因となりまた食べづらくなる。
◆根付きの紫シソを使う場合は、まず根をハサミなどで切り落とし、根っこの方から水洗いすれば汚れが落ちやすい。それから葉を手でていねいにもぎ取り、葉をきれいに洗い直す。
◆氷砂糖を直接瓶に投げ入れると瓶が割れることがあるので慎重に。
◆氷砂糖は結晶が割合大きく、梅の実も意外と大きいから最初のうちは隙間が気になるが、すぐに水分が回るのでこの点はそうは気にしなくても良い。
◆ただし、水分が回らないまま梅の実を放置すると腐敗することがあるので、シロップが上がり切るまではていねいに瓶を振って砂糖分を溶かすようにすること。

〔ひとこと〕


◆ホワイトリカーを使用しなくても作れるが、水分の上がり方が劣るので使う方がお勧め。
◆ホワイトリカーのアルコール分は特に差支えは無いが、体質などで問題になる場合は当然使わないこと。
◆万一、瓶に青梅と氷砂糖が入り切らない場合は、コーヒーの瓶などでも一時的に代用は可能。ただし量の多い方が水分が上がるのが良くなるため、隙間ができたら早めに瓶へ移し直す方が無難。
◆必ずしも氷砂糖でなくても可だが、上白糖では浸透圧の関係で透明度は劣ることになる。グラニュー糖等でも同様。
◆完熟している梅よりは水分の多い、身のしっかりした青梅の方が好適。
◆常にシロップの透明度を確認すること。
◆ていねいに梅の実の処理をすれば品質も比例する。
◆シロップには高濃度の糖分を含むので、瓶の外側をきれいに保つこともする。
◆エキス分が完全に出た梅の実はこのまま置いておいても悪影響が出るだけなので、皮と種だけになったら素早く取り除くように。


〔ポイント〕


ホワイトリカーを加えたら、最初は溶けにくい氷砂糖も驚くほど水分が出て瓶の内側に広がるので、瓶から溢れないように気をつけること。
梅の実を取り除く際や瓶を漬けた後の瓶を洗う時には、残ったシロップ分も利用したいので、良く冷やした炭酸水などを加えると美味であり、後始末もその分楽になる。


先述しましたが、梅の下処理に関しては梅干と同様に考えてください。
梅酒でも基本的には同じようなのですが、残りの梅の実の処理は意外と手間取ることが多いので、梅シロップの方を採用しました。もちろん梅酒を作り、残りの実をオン・ザ・ロックなどで嗜む際に、ドライ・マティーニのスタッフドオリーブのように食するするというのもステキなことなのですが…。



せっかくの梅の有効成分を余すところ無く使い切りたい、という視点で考え抜いた結果がこの梅シロップの登場でした。
もちろんこの梅シロップを利用して梅酒に仕立て直す、と言う方法もありますからこれから先は各自が楽しみながら試すという方向性でお願いしますね。なお、アルコールは高純度のほど仕上がりが早くかつドライな風味になるで、こちらもお忘れなく。現在では世界一の座を降りましたが、世の中には「スピリタス」(なんと96度という強者です!)という代物もありますから。


言うまでもありませんが、アルコールを使用される場合には法規を遵守してください。トラブルの元になるようなことは避けるのが常識ですからね。これも善き社会人として、また大人の常識なのですよ。
こういう点からもシロップのありがた味を感じるのです。さあ、興味を持たれたら作ろうではありませんか!
最後に、ブログの中でも砂糖に関した記事がありますので、そちらもご覧になってくださいね。楽しい内容ですから。