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明治の文明開化はそれまで閉ざされていた日本にさまざまな文物と文化をもたらしました。
特に食は現在まで新たな伝統として、すっかり私たちに受け入れられています。肉食(にくじき)は仏教の影響もあって長らく禁忌とされていました。さすがに今日においてはこの日本では取り沙汰されることもありませんが、それだけ社会が変わったということの代表とは言えるでしょう。
ビフテキ、エビフライ、オムライス、カレー、シチュー、スパゲティ、ハンバーグ、グラタン、コンソメ、ポタージュ…。飲料としてはミルク、紅茶、コーヒー、炭酸飲料…。酒類はビール、ワイン、ウイスキー、ブランデー、ジン…。食品の中には日本で独特の進化をとげて定番となったものもたくさんありますが、それは私たちの日々の創意工夫による成果でもあるのです。

そこで今回は「スパゲッティ・ナポリタン」の登場となります。子供たちも大好きな手軽な洋食ですけど、見方を変えればこれほど日本にピッタリな食品はないとも言えますので。
お楽しみの雑学は後ほどまた…。

〔用意するもの〕


≪食材≫(今回は食材に関しては「お好みの量で」、ということに統一します)


●スパゲティ(乾麺)200g/●タマネギ/●ニンジン/●ピーマン/●マッシュルーム(缶詰)/●ハムまたはベーコン/●ゆで卵/●パセリ(無くても可)/●バジル(無くても可)/●食用油(できればオリーブ油)/●トマトソース/●塩/●黒胡椒/●パルメザンチーズ(無くても可)/●タバスコ(無くても可)



≪道具類≫


●大鍋/●フライパン/●包丁/●まな板/●ボウル/●大皿/●ざる/●菜箸/●フライ返し/●取り皿


≪調理の手順≫


1.分量分のスパゲティを二つ折り、大鍋に入れたっぷりの水に浸しておく。
2.炒める野菜類は食べやすい大きさに切り、ボウルか大皿に種類ごとに盛っておく。
3.飾る野菜(パセリなど)は軽く包丁で刻む。茹で玉は輪切りにするか乱切りにしておく。
4.フライパンに食用油を適量加えて熱してから、ハムまたはベーコンを入れて最初は中火で炒め火を弱めてじっくりと焼き、大皿に移す。
5.大鍋のスパゲティの状態を確認し、少し硬めくらいから鍋ごと火にけて茹で上げる。



6.フライパンにニンジン、タマネギを入れ強火で炒め、火が通るとピーマンとマッシュルームも加えて残り油になじませ、一旦火を止める。
7.さらにフライパンの野菜にハム類を加えて合わせてから中火になじめば火を止める。
8.スパゲティはやや硬い状態で火を止め、ざるで湯切りをする。
9.湯切りをしたスパゲティを大鍋へ戻し、軽く食用油を振りかけて菜箸でなじませる。
10.スパゲティの中へフライパンの炒めた食材を加えて中火にする。
11.食材を加えたスパゲティに好みの量のトマトソースをかけて全体をよく和えてナポリタンが完成。
12.取り皿に分量を分けて盛り、刻んだゆで卵を加えてパセリやバジルを飾ってでき上り。


≪ポイントと一言≫


◆スパゲティをゆで過ぎると食感が悪くなるので、やや硬めぐらいで火を止めるのが無難でしょう。
◆「トマトソース」に関してはすでに別の記事であげていますので、そちらを参照してください。
◆「トマトソース」の代わりに市販品のケチャップを使用してももちろん構いません。
◆スパゲティは通常の茹で方でも構いませんが、紹介した方法の方が簡単です。
◆フライパンで全体を炒めるやり方もありですが、大鍋の方がフライパンの方が容量が大きいのでこちらにしました。
◆トマトソースは作る人の方針で味をつけないこともありますので、味見をしてから調整する方がやりやすいでしょう。
◆炒める火が強過ぎると焦げ付きやすくなります。
◆いつも書いていますが、今回も怪我と火傷などには自由注意してください。


≪まとめ≫


料理は要は「美味しければOK」ということなので、作る人それぞれのレシピができるのです。そうですね。今回のやり方以外にもいくらでも作り方はあるので、工夫を重ねれば洋食屋さんにも負けないものも作れるはなのですよ。
市名とは直接の関係はないようで、「本場に因んで」くらいのネーミングだったのでは?、と思われます。まあ、食材が割合安価で入手しやすいものが選ばれたのも食糧難の時代だったのでしょうね。当時は家庭菜菜園でも栽培しやすくかつ収穫量も多かったピーマンが選ばれたのもその証拠かも。まあ、当時のピーマンは現在のものより相当苦くて、年配の方を中心に苦手意識を持たれる人もまだ相当数おられるみたいです。



当時は家庭菜菜園でも栽培しやすくかつ収穫量も多かったピーマンが選ばれたのもその証拠かも。まあ、当時のピーマンは現在のものより相当苦くて、年配の方を中心に苦手意識を持たれる人もまだ相当数おられるみたいです。



それでもナポリタンにはピーマンは必要で、もしこれがなければ物足りなく感じるでしょうね。他にもシイタケなどを加えても違和感なく受け入れられるのは、この料理の醍醐味だと言えるでしょうか。自由度が大きいのも魅力なのですね。
最後に。おそらくは戦後の食糧難の時代の残飯処理のようにして生まれた(?)だけあって、「なんでもあり」というのが実像なのでしょう。ですので肩ひじ張らずに作れる気軽さがあるのです。料理を作るのは正直苦手、という人も大いに挑戦すべきですね。
どうかあなたにピッタリの作り方が見つかりますように!

※トマトソース → http://imglink.jp/welfareblog/entry-349.html